「地元」の教会と共に歩む

東北ヘルプは、東北の被災各地にある教会を支援することを最初のミッションと定めて始まりました。そして、全国の皆様の献金をお預かりし、教会の働きを支援させて頂いています。

その責任は、「義捐金配分委員会」に委ねられています。委員長は、日本同盟基督教団仙台のぞみ教会の秋山義久牧師です。

昨年秋までに、委員会は、ご支援する教会を選定させていただきました。支援額は上限300万円を原則とし、できるだけ早く、支援の決定をお伝えすることとしました。それは、建物被害などに悩む被災教会を励ましたいとの願いを込めての決定でした。

そして、教会の再建計画が決定し次第、いつでも資金をお渡ししますことを、ご連絡したのでした。

このご連絡をした際、ある教会の牧師先生から一つの質問を頂きました。それは、「いつまで予算執行を待っていられるか」という問いかけでした。その質問には、深い嘆息にも似た思いが込められていました。

大きな金額の執行が決まった場合、一般にその執行は急がれるものです。事務作業のコストを考えると、「年度末までに再建計画を立てなければ執行できなくなる」といったコメントが、支援決定の連絡と共に届くことは、一般的なことであるようです。それは、十分に合理的なことだと思います。

しかし、被災教会は、痛んでいます。疲労の中で、先の見えない日々を過ごしています。ですから、東北ヘルプ「義捐金配分委員会」は、議論の末、次のように応答をいたしました。

1.原則として、東北ヘルプ義捐金配分員会は、執行をいつまでも待ちます。
2.教会が準備を終わるまで、東北ヘルプ義捐金配分員会は、祈りつつ待ちます。
3.東北ヘルプ義捐金配分員会は、共に神様の業を見させて頂くために、折に触れ教会を問按をさせて頂きます。

私たちは、地元の団体です。「地元の教会」の歩みに歩調を合わせることができることは、私たちの特徴のはずです。その特徴を神様から与えられた賜物と思い、腰を据え、息長く、教会の歩みに伴わせていただきたいと願っています。

この夏、その願いを以て、義捐金配分委員会の委員が各教会を問按させて頂きました。今夏、委員の中林兄が、気仙沼第一聖書バプテスト教会を訪ねてくださいました。その報告書を頂きましたから、以下に御紹介します。気仙沼第一聖書バプテスト教会は、建物を津波ですべて流された教会です。その歩みに伴う祈りを、ご一緒にできればと願います。

(2012年9月10日 川上直哉 記)

報告書「気仙沼第一聖書バプテスト教会を訪ねて」

(報告者:中林撰)

・日時:8月3日午前11時頃
・訪問者:秋山先生、中林

・訪問先:気仙沼教会・祈りのセンター・峯岸先生

津波で流された教会跡地に、プレハブの建物が2個並んでいました。「祈りのセンター」と書かれた看板がかかっている建物には、たくさん椅子が置けるようになっており祈祷会等に使用しておられるということでした。2月23日に開設して以来、訪問者は400名ぐらいになるとのことです。私たちも、訪問者名簿に記名させていただきました。

先生は小さな机の上に聖書を広げ、瞑想しつつ待っておられたようすでした。今、教会は印刷所の二階をお借りして日曜礼拝を行っておられます。ただ、印刷所は平日稼働しており、平日に行う祈祷会は、印刷機の騒音が気になってしまうので、こちらで開催しているとのことでした。

先生ご自身は、奥様と仮設住宅にお住いになっておられます。やはりとても狭く不便だとのことです。お話を伺い、本当にお気の毒に思いました。祈りに覚えたいと思います。このことを思いましても、このプレハブの建物が出来てよかったと思いました。

この建物は、電気が6月に使用可能となり、照明、扇風機、冷蔵庫などが使えるようになったとのことです。「祈りのセンター」の隣に設置されたもう一つのプレハブ建物は、主に支援物資をストックし、袋詰めして、配っているとのことです。ボランテアが来たら宿泊所として十分使えそうにお見受けしました。
「今後は、ぜひ高台に土地を求め(300坪ぐらい)、教会を再建したい。そのため祈っている。」と、峰岸先生は語っておられました。8月5日の主日に4名、受洗する予定であることなど、明るい兆しについても、お聞きすることができました。

この後、皆さんで共に祈りました。特に、土地の取得、受洗予定者のため祈りました。

今後については、土地の目途がついたら連絡していただくこととし、私たちは気仙沼のちを後にしました。

(以上)






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