傾聴と伴走と
東北ヘルプは、震災に遭った東北地方太平洋側全域の支援センターになりたいと願っています。
これは大きな志ですが、東北ヘルプ発足当初からの願いです。その志が、「東北ヘルプ」という略称にこめられているのです。
「東北全域のセンター」になるために必要なことは何でしょうか。それは、小さくなることです。
できるだけ小さくなり、謙遜に仕える姿勢を崩さず、目立たずにすべての活動を支える役割を担わせていただく。
そのことができれば、神様はきっと私たちの志をかなえてくださると信じています。「小事に忠なる者は、大事に 忠ならん」という神様の言葉は、私たちの励ましです。
「東北ヘルプ」とは、「仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク」の略称です。私たちの仕事は、キリスト教を 基盤としています。そのことを、私たちは隠したことがありません。ただ、その上で、私たちはすべての人に仕える 者となりたいと願っています。
キリスト教徒のみならず、全ての人に仕えて行くことができれば、そのとき、私たち のような小さな者でも、キリストの薫りを放つ働きを担うことができるでしょう。
そうした思いを抱いて被災地に働く私たちへ、神様は、素晴らしい出会いの出来事をくださいました。ご僧侶が行う 出張傾聴活動「カフェ・デ・モンク」との出会いです。決して自らの宣伝活動ではなく、苦しむ方々に寄り添いたい という願いに駆られて、ご僧侶方が募金を集め、ケーキを用意し、被災地の深部へと出向いておられました。
私たち もそこに加えて頂きました。そして、「心の相談室」が立ち上がった際、この活動はその中核事業の一つとなったの です。
「心の相談室」は今、ラジオ番組や大学の講座を持つに至っていますが、しかし、その基本は、一人ひとりの 苦しむ方々との出会いの出来事です。そしてそれが、結局、全てなのだと思います。
今回、私たちの仲間でご僧侶でもある森田老師が、最近行われた「カフェ・デ・モンク」に参加し、報告書を書いて くださいました。
以下にご紹介をいたします。傾聴ということ、そして伴走ということが、今、被災地で深刻に求め られています。その実践の様子を御紹介できることを、何よりの喜びと思いつつ、以下に報告書を転載いたします。
(2012年7月18日 川上直哉記)