新たな基盤を
Café de FUKUSHIMA 活動報告
間が空いてしまい、申し訳ありません。
「Café de FUKUSHIMA」石川さんの活動報告をお送りいたします。
共同体(「村」「部落」)を作っていくためには時間が必要です。
被災地は、それまであった共同体が震災で解体され、新しい共同体を作っている最中だと言えるでしょう。
ただそのために乗り越えなければならない様々な壁が存在します。
もともとの出身地域の違いがあります。
石川さんの報告の中にもあるように、この出身地域は都会に住んでいる者のぼんやりとした意識とは全く異なります。
そこには血のつながりがあり、共生の仕組みがあり、言葉の違いがあります。
それは一言で表すなら、前提とする「文化」の違いです。
「文化」が異なる者たちが、解体され、もう一度初めから新しい共同体を作るのです。
経済の壁があります。
問題を複雑にする「賠償金」と「就業」があります。
意識の壁があります。
復興住宅は「終の棲家」でしょうか。故郷に帰るまでの「避難地」なのでしょうか。
今の自分は「新しい共同体の一員」なのか「寄留者」なのでしょうか。
これらの様々な違いがある中で、しかし今日を生きるために共同体が形成されなければなりません。
端的に、孤立は今日の命を脅かすからです。
石川さんは、これらを「『会って親しくなる』ことで克服する」ほかないと述べられます。
被災地のこの困難に、共に向かい合った。
その時、しがらみが生まれながらも、つながった。
これこそが新しい共同体の基盤となりうるかもしれません。
(2017年9月15日 東北ヘルプ理事 阿部頌栄)