Café de FUKUSHIMA 活動報告
同情と共生:原発被災者1,200人にお会いして


2015年4月から、Café de FUKUSHIMA(カフェ・デ・フクシマ)を展開されている、石川和宏長老が東北ヘルプのニュースレターにご寄稿くださいました。
1,214人(!)からの、直接伺われた証言をまとめられた、すばらしい原稿を頂戴したのです。

ただ、紙媒体のニュースレターでは、本当に残念ながら、その全文を掲載することは難しいことがわかりました。
そこで今回、ホームページにて、この原稿を公開させていただくことにいたしました。

文中、石川長老は以下のように1,214人からお話を伺った目的を記してくださっています。

「知らなければ同情はできないし、同情を欠いて共生はできないと思うのです。
私にとって同情と共生とは、キリスト者として生きる証しです。」

またその最後には、このように記してくださいました。
「出掛けて行けばニーズも見えてきます。
出会いがあり、喜びがあります。
暇つぶしの相手でもいい。
話を聞く、寄り添う、共感する、共に生きる。
皆さんの今の苦境に同情し連帯する。
私は『決して忘れてはいない』ことを表明し続けます。」

ぜひご一読ください。
そして被災地で苦しみながら日々を生活されている方々と石川長老のお働きを祈りに覚えていただければと存じます。

(2015年11月16日 東北ヘルプ理事 阿部頌栄)


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同情と共生:原発被災者1,200人にお会いして

Café de FUKUSHIMA 石川和宏

そこで、王は答える。『はっきり言っておく。
わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、
わたしにしてくれたことなのである。』 
(マタイ25:40)


【1】始めに

福島県は、今も避難者が105,255人、県内に61,161人、県外に44,094人(福島県災害対策本部 2015.11.2)。応急仮設住宅(以下仮設と略)に住んでいる方は、10,481戸20,185人(同2015.9.30)。
亡くなった方は、直接死1604人に対し関連死が1,984人(同2015.11.2)。関連死の内、原発関連死が1,232人(東京新聞 2015.3.10)。
震災関連自殺、今年既に13人 福島県、歯止めかからず(岩手県2人、宮城県1人)、「避難生活の長期化によるストレスなど原発事故の影響が浮き彫りになっている」(福島民友新聞 2015.10.12)。
数字は、あの事故と津波によって人生が変わってしまい、3.11から4年半以上経った今も苦境の中にあるお一人お一人の合計です。

「放射能から避難できない人が取り残され、餓死者が出ている」。
いわき市の友人からの情報でした。
いても立ってもいられず、買い集めた水や手製のおにぎりなどをミニバンに積み、原発に向かって横浜から北上しました。
最初の被災者支援でした。2011年3月24日のことです。目指した広野町の避難所は、どこも再避難で空でした。
アパートの庭で叫び、一軒一軒声を掛けました。私の被災者支援の始まりです。
今年からは、原発被災者の住む福島県の仮設住宅に絞り、イベントを通して支援を続けています。
10月末までに68ヶ所を訪問し、1,214人の方にお会いしました。
ここで伺った話を皆さんにお伝えするのも被災者支援の大きな目的です。
原発事故の影響を受けた方は日本中におられますが、住む家を追われ生業や地域社会や家族生活を失った福島の生の声を知り、「同情し、共生する」ことに役立つことを願います。
知らなければ同情はできないし、同情を欠いて共生はできないと思うのです。私にとって同情と共生とは、キリスト者として生きる証しです。

何はともあれ、まず仮設68ヶ所、1,214人の方のお話を聞いてください。
南相馬市・浪江町・飯舘村・葛尾村・大熊町で被災した方々です。
福島市・南相馬市・相馬市・二本松市・本宮市・伊達市・三春町・会津若松市で伺いました。


【2】 1,200人の証言

1)3.11直後にあったこと・避難(生活)

◆3.11直後
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◆原発+津波
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◆避難(生活)
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◆食料・水
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◆放射能と被曝
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◆避難所生活
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2)生活の破壊・家族の分断
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3)故郷への思い
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4)仮設住宅での暮らし

◆狭さ
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◆水・買い物・生活の変化
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◆することがない
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◆健康悪化
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◆放射能・風評被害
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◆子供たち
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◆日常生活・入居者の動静
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5)古里の様子

◆家の様子
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◆故郷の放射能汚染
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◆一時帰宅
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6)事故責任・被爆健康被害・線引き

◆事故責任
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◆被爆健康被害
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◆線量線引き
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7)除染
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8)帰還・将来の見通し

◆帰還
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◆将来の見通し
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9)賠償問題
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10)イベントの後で
(▼クリックで文章が表示されます)

以上が、1200人にお会いし聞いた生の声の一部です。ここまで読んでいただければ有り難いことです。




【3】フクシマの被災者と共生するための覚書

共生に役立ちそうな、このディアコニアの「What」と「How」の説明をします。

◆共生
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◆ディアコニア
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◆原発被災者の元へ
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◆支援ルートの開拓
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◆支援(イベント)の中身
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◆Café de FUKUSHIMAと庖丁研ぎ
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◆腹話術「泣いた赤鬼」
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◆サマリタンハウス
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◆支援を支援する
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◆「南相馬ガンバロー」「小高ガンバロー」「浪江ガンバロー」
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◆傾聴
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◆減らないニーズ・激減したボランティア
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【4】最後に

目標だった年内の「全仮設住宅訪問」は、ほぼ叶いそうなので、来年は2巡目に取り掛かります。
「人数でなくニーズの多い仮設住宅」を訪問する予定です。
小規模仮設でも30戸程度あれば訪問を打診します。

どの家にも「訪問販売・宗教勧誘お断り」のステッカーが貼ってあった仮設がありました。
一方で、「今来てくれるのは宗教(者)だけ」とある自治会長は語りました。
ディアコニアは、宗教活動(宣伝・伝道)でなくても、犠牲が伴う証しです。
私が名乗っている「キリスト教」への感謝や尊敬は、彼の地での宣教の土台になることでしょう。

ディアコニアは、「論じること」でなく「行う」だと思います。
出掛けて行けばニーズも見えてきます。
出会いがあり、喜びがあります。
暇つぶしの相手でもいい。
話を聞く、寄り添う、共感する、共に生きる。
皆さんの今の苦境に同情し連帯する。
私は「決して忘れてはいない」ことを表明し続けます。

仮設住宅のニーズは、2~3年でなくなることはありません。
私の老化との競争です。
私同様会社を定年になった方が、「サマリタンハウス」や被災地とのチャンネルという
ディアコニア資産の後継者になっていただければと思います。

石川 和宏



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