5年目を迎えての新しい支援の働き
久しぶりの更新となります。
この3月で東日本大震災5年目を迎えました。
また今日で東北ヘルプ発足5年目が始まります。
皆さまが、祈りをもって、東北の被災者の方々、
支援者の方々を御支援くださっておられますことを感謝いたします。
東北ヘルプも全国の皆さまの祈りのおかげで
ここまで続けることができております。
震災5年目を迎える中で、
多くの課題が新たに浮かび上がってきております。
その中には、様々なご事情で撤退を余儀なくされた支援者の方もおられます。
しかし同時に、現地の方々との出会いの中で、
活動を具体化し、新たに始められている方もおられます。
一見そういった活動の一つ一つは、
地味に見える活動かもしれません。
ですが地元の方のためにと祈りを胸に抱き、
大切にされる中で新しい働きが興されているのです。
今日は、そういった活動の一つをご紹介させていただきます。
宮城県南部から福島県北部で活動を展開されている 「Cafe de ふくしま」、
カベナント教会の石川和宏さんです。
5年目を迎える中で、地道な取り組みをされている支援者の方々を、
皆さまの祈りに憶えていただければありがたく思います。
(2015年3月18日 東北ヘルプ理事 阿部頌栄)
及び 東北ヘルプ HP に関する打合せ報告
2015 年 3 月 4 日 報告者 「Cafe de ふくしま」 石川和宏
【1】 南相馬市 寺内第2仮設住宅支援活動 (写真1)
*事前の案内チラシ配布とポスター掲出 2015 年2月 22 日午後
*支援の日時/場所:2015 年2月 26 日(木)南相馬市 寺内第2仮設住宅集会所
*支援内容:
・カフェ 10:00~12:00
・DVD 映画会(綾小路きみまろ第2集) 10:00~11:00
・軽食 11:00~12:00
・庖丁研ぎ:受付 9:30~ 作業と配達 12:20~14:00
*支援の対象者:
・寺内第 2 の総戸数は 40 戸だが、10 軒弱は空き家(22 日のチラシ配布時に確認)なので、実質ほぼ 30 世帯と思われる。
・居住者は、南相馬市の小高区と原町区の原発避難者と津波被災者の両方
*支援者:「Cafe de ふくしま」 石川和宏・石川千鶴子
*支援に至った経緯:
南相馬市鹿島区ボランティアセンターの紹介(仲介)があった。
また当日は「絆」の職員の方々に手伝って戴いた。
*結果(受益者):
・参加者 12 名 仮設の方7名(内男性2名) 絆職員2名 奉仕者2名 出張で来ていた方1名
・仮設の方の内訳は、原発避難者が2名、津波被害者が5名
・包丁研ぎ 庖丁 21 本 ナタ1本 (約 14 世帯分)
・80 歳前後と思われる高齢者の方が多かった。
・23 日から宿泊できる場所(山元町の家で、「サマリタンハウス」と命名)を得たので、そこでご飯を炊き、炊飯器ごと持参した。
・横浜の自宅のお向かいさん・杉森さんが、何時も美味しい漬物を大量に提供してくださる。仮設でこれを出すたびに、「ご飯が欲しくなるね」という声があがっていた。今回からそれを実現できた。とても好評だった。
・「ご飯」効果があってか、話しが弾み、皆さんが帰られたのは午後2時過ぎだった。
・仮設住宅の方々は、「今日一日何をして過ごそうか」という人が実際に多い。軽食を挟んでゆっくりと集会所で四方山話をして頂くこと(場と雰囲気の提供)は、貴重なことである。
・今回から、コーヒーカップを紙コップから陶器に替え、少しでも本物志向を図った。「これいいね」という感想も戴いた。
*南相馬市鹿島区ボランティアセンターとの打合せ(26 日のイベントの前後に社協事務所で)
・村上所長と短い会話(挨拶)
・濱名主任主事と打合せ:
濱名氏
南相馬市に出来る復興住宅の新住民は、寄り合いで互いに孤立している。手助けしたい。行政区の地域振興課の管轄であるが、新住民の支援(懇親)を考えてもらいたい。地域振興課にはボラセンから連絡をする。→ 石川(了解)
石川
名古屋岩の上教会が子供向け遊びのプログラムを考えている。こちらの希望を書いて送るので、助言をお願いしたい。 → 濱名(了解)
【2】杉田住民センター仮設住宅(一部は、浪江町役場 生活支援課 避難生活支援係への報告を転載) (写真2、3、4)
*事前の案内チラシ配布・ポスター掲出を生活支援課に引き受けて頂いた。
*日時/場所:2015 年2月 28 日(土)二本松市杉田住民センター仮設住宅集会所
*支援内容:
・DVD 映画会(綾小路きみまろ第2集) 10:30~11:30
・カフェ/軽食 11:30 ~13:30 頃
・庖丁研ぎ:受付 10:15~ 作業と配達 13:30~14:40
*支援に至った経緯:
浪江町役場 生活支援課 避難生活支援係の斡旋による。
*支援者:「Cafe de ふくしま」 石川和宏・石川千鶴子
*結果(受益者):
・この仮設は、全員が浪江町民の避難先で、原発避難か、原発避難と津波被害の両方の方だが、ほとんどが原発の人(「みんな 114 号線で津島に逃げた」とのこと)
・参加者 17名 内男性6人 33 戸、29 世帯入居中の仮設住宅にしては、驚異的な参加率でした。一般的には、100 世帯で 10 名(10%)が普通です。
・包丁 22 本+ハサミ5本 合計 27 本 (推定 15 世帯分)
*参加者からお聞きしたこと
・「今日は、映画を見た」(多分、90 インチの大スクリーンだったので)
・「また来てね」
・「きみまろ面白かった。毒舌だが彼には暖かさがある。」「公演の切符は中々手に入らないらしい」
・「震災後はボランティアが多かったが、最近はほとんど来なくなった。」
・「自治会長の集まりで、(私どもが以前訪問した)仮設の自治会長が『(あれは)とても良かった。久し振りに心が晴れた』と言っていた」
・「埼玉に引っ越した孫が学校で『放射能がうつる』と言われた」
・「新築後4年の家に息子夫婦と住んでいた。今はバラバラだ。」
・浪江町には、小学校が5校あったが今は二本松に1校のみ、全校で30名足らず、今年の入学者はゼロ。
・「(浪江に)鳥がいなくなった」「カラスがいなくなった」「雀がいなくなった」
・新日本管財という会社が、東京から 10 名くらいの人が来て、米・味噌・醤油を3か月に1回、2年半届けてくれた。
*感想など
・現地に到着したらこの地区の除染作業の最中だった。過酷な環境に仮設住宅がある。
・仮設住宅の周囲は後回しらしい。子供がいないのは当然。
・予想外の多くの方にお出で頂きました。うれしいことです。何かとお手伝いもして頂き、助かりました。
・私どもが仮設住宅に到着して時(開始1時間前)には、既に会場の準備が整っていました。
・仮設住宅内のまとまりの良さ、橋爪自治会長様の献身と力量があってのことと推察いたしました。
この方は、元町会議員(副議長)。
・多くの方に、「また来て!」と声を掛けて頂きました。たくさんの方に手を振って見送って頂きました。
・是非再訪したい。
・「軽食」(と言っても少しのご飯とお漬け物)を提供させて頂きました。
・これは、23 日から、宮城県亘理郡山元町にボランティア用の家を用意したので、朝炊いたお釜をそのまま持参することが出来ました。
・二本松市などにおられる方々の仮設住宅には、今後このようなサービスが出来ます。やはり、「ご飯を食べながら」だと会話も弾むようです。
・暖かかったこともあり「庖丁研ぎ」は屋外でしましたが、数名の皆さんにずっと「声援」をして頂きました。最後には見送って頂きました。
・ここでの話しもそうですが、(他の地域に較べても)皆さん「浪江」にとても愛着を持っておられるのがよく分かりました。
【3】東北ヘルプ HP に関する打合せ
*日時/場所:2月 27 日(金) 16:00~17:00 仙台市 東北ヘルプ事務所
*出席者:阿部頌栄牧師 石川和宏
*議題:東北ヘルプ HP に関して、石川が如何に協力するか(川上直哉事務局長の検討要請)
*結論
・石川が発行している原発関連のニュースをダイジェスト版で HP に載せる。
・また、目下活動中の仮設住宅支援での見聞も同様に HP に載せる。
・取りあえず「石川案」を作り、川上先生・阿部先生のご意見を伺う。
・アップロードは、阿部先生が担当する。